ヒートポンプのしくみ |
ちょうど通常の水ボンプが水を低いところから高いところへ汲み上げるように、低い熱を運んで高い利用可能な熱に変えるところからヒートポンプと呼ばれているわけです。
それではヒートポンブのしくみをもう少し詳しく見てみましょう。左図をご覧下さい。
まず、「冷媒」は熱源から熱を奪った状態でコンプレッサーに戻ります。
この抵圧ガスはコンプレッサーで庄縮され、高温高圧の状態になります。このガスが凝縮器内で低温の水と熱交換することにより、高庄のガスは高圧液へと、そして低温水は高温水へと生まれ変わります。
そして液化した常温高圧の液は膨張弁により急激に減圧され蒸発器内で水と熱交換する事により低圧ガスヘと変化するのです。
この冷媒液が蒸発する際には、蒸発潜熱により、まわりから大量の熱を奪い取ります。
すなわち蒸発器に入ってきた熱源水は熱を奪われ温度が低下した状態でヒートポンプより排出され、そして「冷媒」は熱源から熱を奪った状態でコンプレッサーに戻ります。
これらの課程を繰り返す事によりヒートポンブサイクルが形成されると言う訳です。
電気から熱への転換は、ニクロム線などを使えば非常に簡単と言えば簡単。しかしその効率は全く誉めたモノでは無く、熱への転換は化石燃料の燃焼の方が全然上なのです。
特に、数10℃止まりの高温を得たい場合に、ニクロム線を使うのは、ただ電力会社が喜ぶだけで(失礼・・)ヒートポンプの効率が全く高い訳で。最近では、ヒートポンプを使った乾燥機まで登場してい
ます。
ヒートポンプの効率が高い理由は、大気の熱を熱源として利用しているから。0℃といっても、絶対温度は273Kあるので、すでにある温度がある大気から熱を取り出して、高温へと移動させる事になります。まさに、熱のポンプと言えるんですね。
さて、ではかしこいヒートポンプ製品の選び方です。
エアコンやヒートポンプ製品のカタログには、COPという数値が書いてありますが、これはCoefficientof
Performance、つまりエネルギー効率(仕事率)のことで、消費したエネルギーに対して得られる暖房(冷房)能力との比を示す数字です。
この数値が1.0であれば、消費したエネルギーと同じだけ暖房(冷房)できた
ことになります。灯油式やガス式では、どんなに頑張ってもCOP値は『1』となります。
最近のエアコンは、COPが4前後、中には6を超えるものもあって、エアコンのみならず、寒冷地用のエコキュート(ヒートポンプ給湯)もCOP値が4を越える様になってきたので、私は最近になって
、ようやくエコキュートの導入を増やしているのです。
以前のCOP値2程度では、導入コストを考えると余計悪い位でしたので(^-^; やはりこれまでは灯油式に軍配が挙がっていた訳です、
余計悪い?そう、このCOPと言う数字にも一つマジックがあります。
エアコンのCOPは消費した電力に対する比で その電気を発電するのに使ったエネルギーとの比では無いのです。ですからこの値を燃焼式の暖房器具の効率と直接比較するのは不公平。
たとえば中部電力の電気の場合、燃料の39.9%のエネルギーが電力になるそうで、この効率で、COP=4のヒートポンプを使った場合、最終的なエネルギー消費効率は、4x0.4≒1.6というわけです。給湯で言えば、エネルギー消費効率が
78〜86%の石油式給湯器に比べると、約2倍となるのです。それでも送電ロスや温水タンクの熱損失(コレ結構大きいのです)を含めて考えても、
COPが最低でも4、2以上は欲しい所。それで初めて、ヒートポンプというのは、効率が良いと言えるのです。
もちろんCOP=6のヒートポンプを使えば、もっと効率はよくなる訳で、高効率である機種の登場が望まれます。そうなって来ると、石油式給湯器より格段に効率が良いことがわかりますよね。
解りますか?この様に機器類は、常に進化しているのです。ヘンな機能いっぱい付いた高い機種や、容量の大きなモノを選ぶより、そこそこ効率良いのを選んで、その機器の寿命が来た時に、また効率の良いモノに替えた方が良い
と思われるのです。もちろんモノには寿命ってモノがありますから。
と言った感じで、オール電化は無条件に環境や財布に優しいのでは無く、ヒートポンプ
と効率の良い機種によって、初めて環境に優しい方に傾くと言ったカラクリです。
(発電用の燃料と、ストーブの燃料が同じだと仮定した場合ですが)
またそれには、安い深夜電力の力も大きい訳で、原子力様々って所です。今後劣化ウランの廃棄については、動向を見守りたいって思っています。
また暖房については、外気温が氷点下近くなると、
極端に効率が落ちる為、その辺の開発が待たれます。ヒートポンプ使った裏技の暖房についてはまたの機会にでも。
採用する機種を選ぶのに、こんな視点もあるって話でした。
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