確定申告おはなし

2005年11月


住宅を購入したり売却したりした時、やらなきゃいけないのが確定申告。
もうすぐ確定申告の季節がやって来ます(2月ですが・笑)初めて確定申告をする人にとっては何だか難しそうに感じられることでしょう。

けど、やりだすと結構簡単ぢゃん♪って思われる方も多い様です。
色々な控除や特例を上手に使って、払い過ぎた税金はとり戻し、これから納める税金は抑えてみるってのも、確定申告ならでは。給与所得者さんは、住宅を建てた翌年(2月まで)に一回行えば、あとは会社がやってくれます。さぁ 頑張って自分でやってみましょう。


確定申告書用紙の入手先


確定申告書の用紙は最寄りの税務署に行けばもらえます。

確定申告書の用紙の種類はAとB、それ以外に申告の内容によって明細書や内訳書などがありますので、窓口でどのような確定申告をするのか正確に伝えることが必要です。簡単なのは国税庁ホームページからダウンロードし、カラープリンタで印刷した用紙を使用するのがお手軽ですよ。

もちろん住宅ローン控除の確定申告の場合には、国税庁ホームページ内の 『所得税の確定申告書作成コーナー』 を使い、画面上で入力したものをプリントアウトして、そのまま確定申告書として提出することもできます。
http://www.nta.go.jp/h17/kakutei/index.htm

住宅借入金等特別控除

住宅ローンを組んだら【住宅借入金等特別控除】が受けられます。
これは住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、一定の条件を満たせば居住を始めた年から10年間、納めた所得税から一定額が還付されるという制度です。

戻ってくる金額は、納めた所得税額と年末のローン残高から算出した控除額のうちのどちらか低い額。たとえば年間の所得税額が30万円、年末のローン残高が2500万円の場合だと、1年目の控除率を残高にかけた額(2500万円×1.0%)が25万円ですから、納めた30万円のうち25万円が戻ってくるという計算です。

 
居住開始年 対象の年末残高 最大控除額 期間・控除率
2005年 4000万円以下の部分 360万円 1年目から8年目まで1.0%、
9〜10年目は0.5%
2006年 3000万円以下の部分 255万円 1年目から7年目まで1.0%、
8〜10年目は0.5%
2007年 2500万円以下の部分 200万円 1年目から6年目まで1.0%、
7〜10年目は0.5%
2008年 2000万円以下の部分 160万円 1年目から6年目まで1.0%、
7〜10年目は0.5%

10年間の最大控除額は、表のように段階的に少なくなっていきます。

ご覧の通り、今年中に居住を始める人と来年早々に住み始める人では、10年間で最大105万円も戻ってくる税額が変わってしまうので、年内にマイホーム購入の予定がある人は「引渡し(契約ではありません)」が年明けにならないよう、注意してください。

ちなみにサラリーマンの場合には、2年目からは確定申告をしなくても、年末調整で還付が受けられるので、一度してしまえば面倒がありません。


控除を受ける為の一定条件

控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下である事
 
借入期間10年以上のローンである
 
床面積が50u以上で、その2分の1以上を居住用に使っている
 
引き渡し後6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいる
 
配偶者(婚約者を含む)や同居の親族から購入した住宅ではない
 
新しく取得した住宅に居住した年、その前年、前々年にさかのぼって、前の住宅を譲渡した際に「3000万円特別控除」や「買い替え特例」などの適用を受けていない
 
中古住宅の場合は以下のいずれか1つに該当する
耐火建築物は築後25年以内
 
耐火建築物以外は築後20年以内
 
それ以上の築年数が過ぎている場合は、平成17年4月1日以降に取得した住宅で、事前に売主が「新耐震基準」を満たしていることを証明した建築物である
 
会社から、家屋または敷地を時価の2分の1未満の価格で譲り受けていない

医療控除

自分自身や家族のために医療費を支払った場合にも、一般に1年間の総額が10万円を超えた分は医療費控除が受けられます。病気や怪我で手術や入院をした人はもちろん、風邪を引いたり、虫歯になって通院したなどの細かい医療費でも合計すると意外に10万円を超えることがあるので、領収書類はまとめて保管しておきましょう。

控除の対象になるのは、納税者が、自分自身や生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費で、その年の1月1日から12月31日までに支払った分の合計です。共働きの場合は収入が多いほうが申告するほうが有利です。

この申告は5年前までさかのぼってできます。しかし、申告の単位は1年間なので、2年分の医療費をまとめて10万円を超えたからといっても申告することはできません。


保険で戻った分は入りません

医療費控除の対象となる金額は、次の式で計算でき、最高で200万円です。(実際に支払った医療費の合計額−@の金額)−Aの金額

@保険金などで補てんされる金額
A10万円(その年の所得の合計金額が200万円未満の人は合計金額の5%)

生命保険などで支給される入院費給付金、健康保険などで支給される療養費、出産育児一時金などは差し引かなくてはいけません。

たとえば、ガンの手術で300万円の医療費を支払い、保険で200万円戻ってきた人は、一般に(300万円−200万円)−10万円=90万円が控除額になります。この90万円がそのまま戻るわけではありません。課税の対象になる所得から90万円を引くことができるという意味です。


通院に使った自動車のガソリン代は不可

控除の対象になる医療費に含まれるのは以下の通りです。

医師または歯科医師による診療または治療費
 
治療または療養に必要な医薬品の代金
 
介護保険制度を使って提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
 
妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、入院費、また、通院費用
 
医師等による診療、治療、施術などを受けるために直接必要な費用。通院費、医師等の送迎費、入院の部屋代や食事代、必要な医療用器具等の購入代や賃借料 健康診断費用や医師への謝礼金などは原則として診療費や治療費に含みません。ビタミン剤やサプリメントなど健康増進や病気予防のための医薬品も控除の対象外です。また、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車料金も「通院費」として認められないのでご注意を。電車やバスで通院する場合は控除の対象になりますが、切符をとっておくわけには行きません。通院の記録を付け、往復の交通費を明記しておけば大丈夫です。

競馬や宝くじに当たったぞぃ

給与所得者(サラリーマン)で、「住宅借入金等特別控除」や「医療費控除」を受けない人も、次のいずれかに当てはまるような場合には、確定申告をしなければなりません。

年間の給与所得金額が2000万円を超える人
 
給与所得及び退職金以外の所得の合計額が20万円を超える人
※「給与所得及び退職金以外の所得」には、「確定申告不要制度」や「源泉分離課税」の対象になっている所得は入りません。
 
同族会社の役員などで、その会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
 
退職金の税額を正規の方法で計算した場合に、その税額が源泉徴収金額よりも多くなる人
 
宝くじにあたったら?ご心配なく。宝くじの当選金は非課税です。では競馬で大当たりしたときは?これは一時所得といって課税対象。その配当額から当たり馬券の購入費+特別控除50万円を引いた残額の2分の1が課税対象になり、確定申告の必要があります。


さっ がんばって確定申告しましょ (-_☆)

まずは
国税庁のホームページへ